
交通事故の被害者になった場合、加害側からは金銭での解決を申し込まれる場合があります。
また、被害者側も正当な補償額をもらう必要があり、加害者と被害者の双方ともに示談交渉はしっかりと行なっていくべきです。
ここでは、交通事故が発生した場合の「示談金」について、その内容を紹介してきます。
2.示談金にはどのようなものが含まれているか?
交通事故の示談金に相場は存在しない
交通事故が発生した後には示談交渉がつきものです。そこでは、慰謝料や損害賠償を含めた示談金の交渉を行います。
交通事故での示談交渉なんて馴染みがある人は少ないので、「示談金」と言っても「いくらぐらいもらえるのか?」については知らないのではないでしょうか?
実は、交通事故の示談金に相場は存在していません。
- 交通事故の概要
- 怪我の大きさ
- 後遺症の有無
などによってかなりの額になる可能性もあり、数百万円から1000万円超に及ぶケースも存在するのです。
しっかりした示談金をもらうには「示談交渉の場」を設ける必要がある
高額な示談金を受け取るには、きちんとした示談交渉の場を設ける必要があります。その交渉の場において、保険会社や弁護士、加害者や被害者を交えて具体的な示談内容を決めていくのです。
よくある示談の失敗例として、交通事故の現場で、加害者側から「○万を支払うからこの場で示談にしませんか?」という要望にOKしてしまうケースがあります。
これは、口約束であったとしても示談に応じたということになりますから、法律的には「その額で和解に応じた」ことになります。そのため、それ以上の示談金を受け取ることができません。
交通事故現場で相手から相談された示談には対応しないように注意してください。
損害賠償と慰謝料にはどんなものが含まれているのか?
損害賠償と慰謝料をひっくるめて示談金と呼んでいます。損害賠償と慰謝料は似た意味合いで捉えている人もいますが、実は違っているのです。
「損害賠償」に含まれるものとは?
示談金の中の一つだる損害賠償には次のようなものが含まれています。
治療費やそれに関係する費用
交通事故で怪我を負ってしまった場合は、その怪我のレベルに伴って入院や通院をして治療をしなければいけません。その治療にかかった費用は請求することができます。
例えば、以下のような経費です。
- 病院に通うときにかかった交通費
- 必要な道具
さらには、下記のようなあらゆる費用を請求することができます。
- 弁護士の相談費用
- 死亡してしまった場合の葬式費用
休業損害
交通事故の怪我が原因で、仕事を休まなければならないケースもあると思います。その期間に得られるはずだった収入を、休業損害として請求できます。
サラリーマンのような一般の社会人だけではなく、以下のような職種でも請求可能です。
- パートやアルバイト
- 専業主婦
- 自営業
相手側の主張に押されずに、被害者側が受けられる権利をしっかりと主張するようにしましょう。
逸失利益
先ほど紹介した休業損害は「怪我が治るまでの間に仕事ができなかった分の請求」に値するのですが、逸失利益は、「交通事故によって死亡してしまった、あるいは後遺症が残って仕事をすることが不可能になってしまった場合」に請求できます。
内容的には「将来得られるはずだった収入」の請求です。
- 交通事故に遭う前にどれぐらいの収入を得ていたのか?
- どれぐらいの勤続年数だったのか?
などを考慮して計算されるものです。
「慰謝料」に含まれるものとは?
一言で「慰謝料」と言っても、実際はいくつかの種類に分けられています。これらを正しく把握しておきましょう。とくに後遺症に絡む慰謝料は把握しておかないと後ほど後悔することになり兼ねません。
入通院慰謝料
入院や通院をしていた期間に対して支払われる慰謝料です。医師の診断を受けないと支払うことができない慰謝料ですから、自力で治そうとしている治療には支払うことができません。
後遺障害慰謝料
交通事故の怪我とは別に支払われる慰謝料で、後遺症が残ってしまった時に支払われる慰謝料です。
後遺障害が交通事故の影響によるものということが認められた上で、症状固定が下されたら金額を計算することになります。
死亡慰謝料
被害者が死亡してしまった時に支払われる慰謝料のことです。死亡するまでの入院期間が長い場合には、治療期間の入通院慰謝料も請求することができます。
被害者の社会的地位や年齢、年収や家族の人数などによって金額が大きく変動します。